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※途中まで昨日のブログのまとめです。
2024年の東京市場は、3月22日に40,888円(終値でなく取引時間中最高値は同じ日の41,087円)に到達し、年内に突破すると言われていたバブル全盛期の1989年12月29日に記録した最高値38,915円を2千円近く上回り、目標を達成した状況になっています。



しかし、このブログでも指摘しましたように、消費者物価指数(2020年基準)を用いて過去の株価を現在のお金の価値に合わせて計算すると、次の図のとおりバブル期最高値は47,568円になり、まだ開きがあることがわかります。


※ここから新ネタです。
それにしても、我々が実感している日本経済の状態や、海外から見た日本の物価安(海外の物価高)の感覚とはかけ離れていて、バブル経済の時代に戻りつつあるとはとても考えられません。

そこで今度は、米国の消費者物価指数(CPIのうち都市部の消費者世帯対象の指数)に着目してみました。通常、前月比や前年同月比が全面に出されて発表されますので気づきにくいのですが、指数は明らかな右肩上がりです。


バブル後30年以上、日本ではほどんど物価上昇してこなかったのに対し、米国ではおよそ3倍もの物価上昇が、ほぼ停滞することなく進んできています。もちろんそれに伴う賃金の上昇(1990年から約2.5倍)もあっての経済の発展です。

日経平均株価をこの米国CPIを用いて現在のお金の価値で換算すると、バブル期最高値は96,205円になり、もう少しで10万円に届くレベルにあったことになります。逆に言えば、現在の日経平均株価はバブル期の半分にも満たないレベルに、米国の消費者からは見えているはずです。


参考までに、先に示しました米国と日本の物価指数を、日経平均株価のバブル期最高値が記録された1989年12月を1として日本/米国の比率を計算すると、約半分の0.49となっていて、株価に関係なく米国の消費者から見た日本の物価=約半値に見えるのは、物価指数からも明らかです。



巷では円安が悪者のように言われていますが、ドル円相場はこの30年以上揺らいではいるものの極端な変化ではありません。バブル前の80年代のほうがはるかに円安でしたが、物価は日本のほうが20~30%も高かったのです。



日経平均株価をドル建てでも見てみましたが、円高の時期に上昇し、2021年2月にピーク(273.03ドル)を付けているように、やはり実感とは離れた動きをしています。



以上、日本の物価指数では見えなかった動きについて調べてみました。